記録破棄によるディストピア化

ジョージ・オーウェルの有名なSF小説「1984」未来の管理社会、ディストピアを巧みに描き、管理される人間側の苦しみや悲哀を描いてみせた。当時は、第二次世界対潜が修了したばかりの1948年で、ヒトラーによる全体主義体制とゲシュタポによる情報統制や反政府主義者やユダヤ人の摘発への恐怖が、現実のものとして残存している時代だった。

そのような時代は系の元にオーウェルは、「1984」を書き上げた。

主人公のウィンストン・スミスは、真理省の役人であり、過去の記録の書き換えを行う仕事を担当している。
過去の記録を書き換え、不都合な記録はなかったことにするか、正反対の意味にしてしまう。

現在の官邸や国に底までの明確な意志はないが、国にとって重要な記録を残さなかったり、削除してしまうのは、ビッグブラザーが支配するオセアニア国に似ている。

記録こそが、人間の歴史を示す者であり、事後の検証には欠かせない。元々、政策決定をする政権幹部や官僚は、自らの無謬性を否定する記録の数々を残すことを好まない。

あくまでも、決断を行った背景、不都合な圧力、自らの判断の甘さなどを証明する書類は、絶体に残したくないのが人情だ。だが、それを認めると政策決定が偏ったものになり、自己や縁故者への利益誘導となりやすい。

主人公のウィンストン・スミスの行動は、「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョンや至る所にしかけられたマイクで、すべての行動が監視されている。
国民の食べる食料は国から配給されることになっている。だが、その配給量が減っても、過去の記録を書き換え、今回は増えたことして公表する。

すると国民は何が正しいのか、よく分からなくなって、修正された情報の方を信じてしまう。

さて、今の政府はどうだ。森友、加計、桜、黒川元検事長などすべての問題で、事実をごまかすか、書類を修正、破棄するか、嘘を述べている。さらに田崎史郎などの官邸お抱えのようなジャーナリストが政府を擁護する情報をばらまいている。

それで国民も何が本当だが、嘘なのか、真実が分からなくなっていたが、今回の黒川検事長の定年延長問題から端を発し、検察庁法での定年延長、黒川氏による賭け麻雀問題で、徐々に官邸の嘘が見え始めた。

安倍首相は、管理社会を作ろうとはしていないが、過去の記録を修正し続けている。

ディストピア、さようなら

レイニー鈴木

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Author: レイニー鈴木

アフター⑲研究所所長 新しい音楽やガジェット好きで管理社会を憂うオジサン。 特に裏道散策が大好き!ほかにもDTMなんかやってるAppleカルトです。